個人的にも興味があったので調べてみました。

run-off admnistration とは一般的にリスク管理を目的とするもので、その範囲はとてつもなく広く、状況に応じたきめ細かなサービスです。スイス大手保険会社、Swiss Reもrun-off administrationサービスを行っていますが、ホームページにもはっきりとした定義は掲載されてません。しかし、彼らがrun-off administrationサービスの一環として行う業務とは：経営管理・人事管理・資金管理・経理・国営事業の民営化・会社売買を円滑に進める上での仲介などなど数え始めたらピンからキリまであります。

僕は弁護士事務所でバイトしていたことがありますが、これらはほとんど全て経営管理業務委託契約書、あるいは特別業務委託契約書で処理される内容です。

但し、ここで大切なのは契約のタイトルではなく、契約の内容なのです。翻訳者の我々からすれば正確に訳を手がけたいものですし、それは当然のことなのですが、法律の世界では契約書のタイトルはほとんど無意味です。昭和４９年・東京地裁の民事事件ではこんなケースがありました：

甲（会社）は乙（個人）と*仮*雇用契約を締結した。しかしその後、甲は一方的に契約を解除し、乙に多大なる損害を及ぼした。さて、仮契約は本来、当事者いずれか一人の一方的な解除で無効となる契約なのだが、この契約書は仮契約にもかかわらず、雇用内容・業務期間・賃金・社判などなど仮契約というタイトル以外は全て*本*契約と変わらぬ内容が記載されていたため、裁判所はこれを本契約同様とみなし、甲に損害賠償の支払いを命じた。

この判例は、契約書のタイトルは無意味だということを示しました。　内容がしっかりしてれば大丈夫ですから、あまり悩まないでくださいな。